[メイン3] 射命丸文 : middle【大人の話】 登場/任意(子ども以外)

[メイン3] 射命丸文 : 1d10+52 (1D10+52) > 10[10]+52 > 62

[メイン3] エキドナ : 66+1d10 登場/リザレクト (66+1D10) > 66+5[5] > 71

[メイン3] 兜蟲 : 1d10+51 登場/リザレクト (1D10+51) > 4[4]+51 > 55

[メイン3] 射命丸文 :

[メイン3] 射命丸文 : 手帳とにらめっこして、二人から離れて歩く。

[メイン3] 射命丸文 : あの二人に関しては心配していない……というよりも、自分がいる方が心配であるという方が正しい。

[メイン3] 射命丸文 : 黒を垂らしたら、色は濁るものだ。
自分がいてどうにかなる状況なら、あの二人だけでもどうにかなる。
が、逆は然りではないということ。

[メイン3] 射命丸文 : 少し散漫な意識で、遊園地を歩く。
そこかしこの子供の声が少し集中力を削いでいた。

[メイン3] エキドナ : 「そっちの進捗はどう?」ジュースを差し出しながら

[メイン3] 射命丸文 : 「うわっ……と」
まず視界に入ったのがジュース。
そこから渡し手に視線を移す。

[メイン3] 射命丸文 : 「……どうも、ありがとうございます……エキドナさん」

[メイン3] 兜蟲 : 「…………あの二人なら、まっ大丈夫でしょ
 やっぱりモルフェウスって便利よねぇ」
子供たちが無邪気に遊んでいる。こんな光景は私は少なくとも見た事はない。
昔も、今も。昔から死線すれすれなんだけれど───

[メイン3] 兜蟲 : 「───さあて、あの二人はともかく……
 ナギ、アンタは別よ、アンタは…………」

[メイン3] 兜蟲 : 「…………」

[メイン3] 兜蟲 : 「ナギ?」

[メイン3] 兜蟲 : 辺りを見渡すとナギがいない。
ほんの少し、目を離しただけだが───探せばすぐみつかるはずだし
エフェクトを発動すれば、すぐに感知できるほどに所作の際の音も、駆け足の音も目立つはずだ。

[メイン3] 射命丸文 : 「早速大丈夫じゃなかった、と……」

[メイン3] エキドナ : 「どこに行ったかしら?」

[メイン3] 兜蟲 : 「ッ…………ちょっと、アンタ冷静ね
 何か知ってるのかしら───」

[メイン3] 射命丸文 : 「あの二人から、ある程度の話は聞きまして」

[メイン3] 射命丸文 : 「この空間、ずっといる内に”自分だけの世界”に引き込まれるそうですよ?」

[メイン3] エキドナ : 「!?」

[メイン3] 兜蟲 : 「───"自分だけの世界"……?
 ちょっと待ちなさい、それならあの二人も無事じゃあないんじゃない?」

[メイン3] 射命丸文 : 「そこが私があの二人から離れた理由で……
 ……なんでも、その世界は他人から”引き戻される”ことができるそうです」

[メイン3] 兜蟲 : 子供に戻すだけでなく、自分の世界とやらに引きずり込む。
これは緊急事態だ、何故ならその三人が済めば次は誰の番か想像するのはたやすい上に
───いや、あるいは私たちはそのままなのだろうか? そう思慮を巡らすと
『他人から"引き戻される"ことができる』というのを訊く。

[メイン3] 兜蟲 : 「どう引き戻せばいいのかしら?
 それがわからないなら、私がやる事は決まってるんだけれど?」

[メイン3] 射命丸文 : 「夢の世界に逃避する心を、現実の絆が繋ぎ止める……そういう話でしたね、纏めると」
子供の状態の二人からの話だから、本当はもう少し曖昧だったけれど。

[メイン3] 射命丸文 : 「きょ、強硬手段はお待ちを……」

[メイン3] 兜蟲 : 「現実の絆───ね
 …………私はそんな絆を向こうから繋がれた覚えはないし
 そもそもアンタ達も、たとえばナギと強い絆とやらを繋いだ覚えはあるかしら?」

[メイン3] 兜蟲 : ロイスは目に見えない。

[メイン3] 兜蟲 : だからこそ、兜蟲はそんなのを繋がれた覚えはない。
こちらが向こうに『ロイス』を勝手に抱いているだけしか、確信が無いのだ。

[メイン3] 射命丸文 : 「繋がれた覚えって」
くすりと笑う。

[メイン3] 射命丸文 : 「……意外とセンチメンタルというか、何というか」

[メイン3] エキドナ : 「へ〜!」
「以外とロマンチストなのね」

[メイン3] 兜蟲 : 「あら……冷たく言い放ったつもりだけど
 そう受け取ってくれるのかしら? ふぅーん……」
まあ、歪とはいえ私も子供を育成した事のある人間だからこそだろうか
歪なのはどうしたって変わりないが。

[メイン3] 射命丸文 : 「本当に冷たい人なら、私は……”繋いだ覚えがない”と言うと思いますよ」

[メイン3] 兜蟲 : 「…………」

しばし無言。
そして口を開く。

「まっ……手っ取り早いやり方が一つあるわよ
 アンタの言った『強硬手段』になるでしょうけど
 どうせあの三人が元に戻ったとして」

[メイン3] 兜蟲 : 「私達はどうやってここから出るのかしら」

[メイン3] 射命丸文 : 「それはこれから、私が調べようかと」

[メイン3] 射命丸文 : 「……だって兜蟲さんはやりたいこと、ありますよね?」

[メイン3] 兜蟲 : 「ええ、やりたい事が一つあるわ
 その過程があなたとちょっと重なってるわね、出鼻だけ、だけど」
巨大な槍が、天高くそびえるかのように
その手にいつのまにか握られている───

[メイン3] 兜蟲 : そして───エキドナと文に「耳を塞げ」とアイコンタクトを送り。

[メイン3] エキドナ : (わかったわ)耳をふさぐ

[メイン3] 射命丸文 : いきなり!慌てて耳を塞ぐ。

[メイン3] 兜蟲 :

「出てこォォォォォ────いぃッッッッ!!!!!!

 ネバーランダァァァァアアア─────ッッッッッッ!!!!!
 最初からずっと見てんだろォ~~~がァァ! 面見せろォぅッッッ!!!!」

[メイン3] 兜蟲 : テーマパークで遊ぶ子供たちの事は一切気にせず。

[メイン3] 兜蟲 : 怒号を飛ばす。

[メイン3] GM :  

[メイン3] GM :  

[メイン3] GM : 「─────あらあら」

[メイン3] GM : 透き通った声が、微かながらも
その耳にこびりつくように、ハッキリと聞こえる。

[メイン3] GM : テーマパーク内の楽しげな音楽の中。
"子ども"達しかいないこの世界で

[メイン3] 兜蟲 : 思わず自身の耳に触れ
眉をひそめれば
その"鋭敏感覚"によって、その声の位置を特定しようとする───

[メイン3] GM : ひと際目立つような─────長身の女性が

[メイン3] ネバーランダー : 兜蟲のエフェクトによる感知の、その先に佇んていた。

[メイン3] ネバーランダー : 「これはこれは、当テーマパークへようこそおいでくださりました」

[メイン3] ネバーランダー : ニコリと、優しく微笑む女性。
それは─────資料にあった、"ネバーランダー"の姿そのものだった。

[メイン3] 兜蟲 : 「フゥーン……実際に見れば見るほど
 やっぱり"小娘"ね」
28歳の彼女を小娘呼ばわりしながら、その槍を突き付ける。脅しとして。

[メイン3] 兜蟲 : その槍は───知る人は知っているだろう。

[メイン3] ネバーランダー : カツ、カツ、カツ。と心地良い靴音を弾ませながら
あなた達の方へ、一歩、また一歩、歩み寄る。

[メイン3] 射命丸文 : 「ネバーランダー……星野亜夢さんですね」

[メイン3] 兜蟲 : 一振りで何もかもをなぎ倒す槍

正式名称『ミリオンベイン』
それは……本来、FHのマスターエージェントのみが触れる事の許されるはずの、全壊兵器

[メイン3] ネバーランダー : そこには、敵意も、悪意も、殺意も込められていない。
あるのは─────"慈愛"。

[メイン3] ネバーランダー : 「フフフ、ですがこの"世界"では─────私は、小娘にはなれないんですよ」

[メイン3] ネバーランダー : 「そして……ええ、その通りです
 私が─────"ネバーランダー"です」

[メイン3] ネバーランダー : 行儀良く、一礼。

[メイン3] 射命丸文 : 言葉通り……その見目は子供のものには見えない。

[メイン3] エキドナ : 出来るな…

[メイン3] 兜蟲 : 「これ以上、近寄るのはよしてもらえるかしらね❤
 それにどう目をかっぽじっても、私には小娘にしか見えねェが
 一つ訊く、なんで私達はこの姿のままだ? 保護者が必要だったか?」
その行儀のよさとは比例して、また28歳の外見の彼女に小娘呼ばわりを続ける。

[メイン3] ネバーランダー : 「あらあらぁ……フフフ♪」

[メイン3] ネバーランダー : 荒言葉にも、歯牙にもかけない態度のまま。

[メイン3] 射命丸文 : やや、胃が痛い。
少なくとも向こうから戦闘を仕掛けてこないであろう、という推測が無ければ胃に穴が開いていた。

[メイン3] ネバーランダー : 「簡単な話ですよ、オーヴァードに覚醒した際も
 その人が、"人"として生きていくか、それとも"人ならざる者"として生きていくか
 その差は、結局のところ─────運命の悪戯ですからね」

[メイン3] ネバーランダー : 「それはあなた方にとっても同じ
 ほんの少し、私のエフェクトに耐性を有している
 たったそれだけの、簡単な理由でしょう」

[メイン3] 射命丸文 : 「ただの個人差、ですか。京子ちゃんたちの情報通りですね……」

[メイン3] 兜蟲 : 「つまり、私達は片隅のその内なる衝動に打ち負けなかった、と
 まっ……私に関しては童心を抱いていた時代がロクでもなかったから
 それに助けられたわけね───」

[メイン3] ネバーランダー : 「それでもあなた方にはこのまま、この世界に留まり、そして……
 "子ども"になってもらいますよ」
ニコリと、そう言い告げる。

[メイン3] ネバーランダー : 「だって、これはあなた方にとっても良い話ではないですか」

[メイン3] ネバーランダー : 「─────いつ自分を見失ってしまうかもしれないこの世界から
 解き放たれることができるのですよ?」

[メイン3] 兜蟲 : 「……」
ミリオンベイン───私は『 』と名付ける
この槍を向けられて、正気でいられる時点でこの女は手練れ。
小娘だが、その実力は間違いなくマスターエージェントクラスに匹敵する。

[メイン3] エキドナ : 「魅力的なお誘いだけど」
「私は未来に生きるわ」

[メイン3] ネバーランダー : その言葉は、ネバーランダーの、純然たる"善意"だった。

[メイン3] ネバーランダー : 「あらあら?未来なんて、あるのかしら?」
こてん、と首を傾げ。

[メイン3] ネバーランダー : 「レネゲイドを治療する方法、ジャームとなった人を元に戻す方法
 そんなの、この世にあるのでしょうか?
 あるとすればもう─────これだけではないでしょうか?」

[メイン3] 射命丸文 : ふうむと唸り、ペンを回しながら話を聞く。
取材相手としては上々ですね……。

[メイン3] エキドナ : 「えぇ 過去にしがみついててもおいしい物も食べれないじゃない」

[メイン3] ネバーランダー : そう言い放つと、ネバーランダーの体から、レネゲイドの奔流が漏れ出始める。

[メイン3] 兜蟲 : 「───知るかよ
 私達を巻き込んじまった時点でそれは破綻だ
 確かに良い世の中だとは認め───」

[メイン3] 射命丸文 : 「おっと!?」

[メイン3] 兜蟲 : ミリオンベインを振るう事前動作へと入ろうとした瞬間
その奔流に汗が肌を一なすりする。

[メイン3] エキドナ : 「!?」身構える

[メイン3] ネバーランダー : 「お望みであれば、どんな美味しい食べ物も、どんな人にでも
 全て思うがまま、理想の世界で過ごせることができるのですよ?
 それを可能とするのが─────"レネゲイド"」
すっ、と手を伸ばすと、そこへ

[メイン3] ネバーランダー : 血と、空間と、煙が、禍々しく渦巻く。

[メイン3] ネバーランダー : まるでブラックホールのごとく、そこにはレネゲイドが濃縮されていた。

[メイン3] 兜蟲 : トライブリード
そのそれぞれの特徴───それが完璧に混ざり合っている……!

[メイン3] 兜蟲 : たとえ『業師』でもこの領域は到底到達できない───。

[メイン3] ネバーランダー : このテーマパーク内にいる、多くのオーヴァード"だった"者達のレネゲイド。

[メイン3] ネバーランダー : 質量保存の法則、それは裏返らない。
だからこそ、オーヴァード、ジャームの中に宿されたレネゲイドは全て─────。

[メイン3] 射命丸文 : いや、事前調査から相当の実力者とは言われていましたが……ここまでとは。
冷汗が垂れる。

[メイン3] ネバーランダー : ─────この女性の中に、渦巻いていた。

[メイン3] ネバーランダー : ネバーランダーの侵蝕率は。

[メイン3] ネバーランダー : ─────"測定不能"。

[メイン3] 兜蟲 : この女の力は、失踪したオーヴァードにプラス! 何十何百のオーヴァードの力を貯えて
そして……『測定不能』……か。

[メイン3] 兜蟲 : 面白ェ。

[メイン3] ネバーランダー : 「私が皆さんのレネゲイドを受け持ちます
 そうして皆さんを─────"必ず"、"幸せ"にしますよ」

[メイン3] ネバーランダー : そうして、優しく微笑む。

[メイン3] ネバーランダー : もはやネバーランダーは、"衝動:解放"に突き動かされる存在となっていた。

[メイン3] 射命丸文 : 「そういうカラクリでしたか……」

[メイン3] ネバーランダー : 全てのオーヴァード、ジャームを救いたい。
この手で、救いたい。その一心で、彼女は、この世界を作り上げた。

[メイン3] 射命丸文 : 「あまりに犠牲者が多すぎる、そう思っていましたが……
 その犠牲者の一人一人が力になっていた、と」

[メイン3] ネバーランダー : 「犠牲者だなんて、とんでもありません」

[メイン3] エキドナ : 「少しおいたが過ぎたわね」

[メイン3] ネバーランダー : そうして、遠くて、幸せそうに、楽しく遊ぶ子ども達を一瞥し。

[メイン3] ネバーランダー : 「─────私を殺して、あの笑顔を奪いますか?」

[メイン3] 兜蟲 : 「いいや、私はそれでも帰る道を選ぶ
 そしてあの三人を助けるにも手っ取り早い方法でな
 アンタをぶっ壊して、このテーマパークは閉園だ
 何、殺しはしねェ───ぶっ壊して脱出するが、殺しはしない

 これが私の理想だ、文句あっか」

あの力を見せられて、尚彼女はミリオンベインをしまう事なく
矛先を向け続ける。兜蟲は楽しく遊ぶ子供たちを一瞥もせず。

[メイン3] 兜蟲 : 今、ある意味正気なのは

文とエキドナだけだ。

[メイン3] ネバーランダー : 「………」
朱色の瞳が蠢く。兜蟲の"理想"に、微笑む。

[メイン3] ネバーランダー : 「それでも私は」

[メイン3] ネバーランダー : 「あなたを」

[メイン3] ネバーランダー :
     ・・・・・
「─────救いますよ」

[メイン3] ネバーランダー : そう言い残し、踵を返す。

[メイン3] ネバーランダー : バロールのエフェクトにより、ゲートが現れ
その中に身を沈ませていく。

[メイン3] 兜蟲 : ───その言葉に、兜蟲は言葉でなく。
『  』で返そうとした瞬間、ゲートが現れ
彼女の姿が消えていく。

[メイン3] 兜蟲 : 「ッ!」
攻撃は届かない、が、声はまだ届くだろう。

[メイン3] 射命丸文 : 「……兜蟲さん、そこまでしておきましょう」

[メイン3] エキドナ : 「今は合流しましょ」

[メイン3] 兜蟲 : 「…………ッ ───文」
その声を聞くと、槍こそしまわないが
怒号を抑えた。

[メイン3] 射命丸文 : 「…………少なくとも、相手から攻撃する意思はないことが分かりました。
 もちろん、私たちには”制限時間”が付けられているも同然ですが」

[メイン3] 射命丸文 : あの”渦”をぶつけられたなら、その時点でこちらは大きな被害を受けていただろう。
不死身のオーヴァードとて、重力で押さえつけるなり薬物で行動不能にするなり。
拘束する手段はいくらでもある。

[メイン3] 兜蟲 : 「…………」
その時、彼女
ネバーランダーが目を向けた先の子供たちのはしゃぐ声がまた耳に入る。

[メイン3] 射命丸文 : ある種、見逃されたも当然だけれど……
”計測不能”なんて見れば悔しくもならない。

[メイン3] 兜蟲 : 「───まああの渦をぶつけられた時は
 あのガキ共(非オーヴァード)も無事じゃすまなかったってのも
 あるんだろうけど、ね」
冷や汗を嫌でもかきながらも。

[メイン3] 射命丸文 : 「どう行動するにせよ……この時点でネバーランドに真っ向から戦いを挑むのは得策ではないですね……」

[メイン3] 兜蟲 : 「そうね───それに……ねェ?
 私ちょっと頭に血ィ上ってたけど」
頭が冷えた事で、そもそも私達の仕事が何なのかを脳裏に過ぎらせる
と言っても、文もエキドナもわかってる事だろうけど。

[メイン3] 射命丸文 : 「……本来の目的を見失ってはいけない、ということですね」

[メイン3] エキドナ : 「それはそうね」

[メイン3] 兜蟲 : 「…………ってコトは、今この手で間違いなくやれる事は
 今正しい事は……まっ、あの三人を連れ戻す事ね
 "こっち"に」

[メイン3] 射命丸文 : 「もっとも、その内二人は問題ないでしょうが……
        ナギ
 問題は、残りの一人さんですね」

[メイン3] エキドナ : 「どうこっちから声をかけるか」

[メイン3] 兜蟲 : 「───理想の世界ったって
 もしかして現実と理想の世界で場所がまるっきり変わってるってわけでもないのよね
 多分この遊園地が基準でしょ?」

[メイン3] 兜蟲 : 「この遊園地であいつの行きそうな場所───
 と言っても、むっずかしいわねェ……」

[メイン3] 射命丸文 : 「……」

[メイン3] 射命丸文 : 「思いつきますよ、一つ」

[メイン3] エキドナ : 「作るか…♠️」
「螺旋階段……!」

[メイン3] 兜蟲 : 「───まじで言ってる?」
文の方に視線を送り、エキドナに待ったをかける
と言っても、あくまで待ったというだけ。

[メイン3] 射命丸文 : 「……まさにそれです」

[メイン3] 兜蟲 : 「螺旋階段……」

[メイン3] 射命丸文 : エキドナの言葉に同意して。

[メイン3] 兜蟲 : あっ、そう言えばアイツ……
『螺旋階段』がお気に召してたわね。

[メイン3] 射命丸文 : 「子供の行く場所って決まってるじゃないですか……」

[メイン3] 射命丸文 : 「友達のいる場所、です」

[メイン3] 兜蟲 : 「…………好奇心旺盛だからこそ、他者の存在が欲しいってわけね」
───わかっちゃうわね
いやどうかしら? そう内心でぶつかりながら

[メイン3] 兜蟲 : 「じゃあ、お気に召したものの再演と
 そして目印として」

[メイン3] 兜蟲 : 「頼めるかしらね、エキドナ」
待ったをかけていた手を離して。

[メイン3] エキドナ : 「わかったわ」

[メイン3] エキドナ : 再び螺旋階段が出来上がってくる

[メイン3] 兜蟲 : これで、向こうの世界にも反映されれば
───これは目印になる。

[メイン3] 兜蟲 : …………それにしても、友達ねえ
私はアイツの友達にされた覚えはないけれど。

[メイン3] 兜蟲 : ……これがセンチメンタルって奴かしら? 文。
なんて、内心で呟きながら。

[メイン3] 兜蟲 :  

[メイン3] 兜蟲 :  

[メイン3] 射命丸文 : middle【ネバーランド】 記者/射命丸文

[メイン3] 射命丸文 : 62+1d10 (62+1D10) > 62+2[2] > 64

[メイン3] 射命丸文 :

[メイン3] 射命丸文 : カフェ、テラス席。
一人で手帳にペンを走らせている。

[メイン3] 射命丸文 : 一緒にいた兜蟲さんと、エキドナさんはいつの間にか姿が見えなくなった。

[メイン3] 射命丸文 : ……あの二人が誰かの”理想”だった証拠なのだろう。

[メイン3] 射命丸文 : 手帳に纏める要点──この世界では理想が叶うとかなんとか。
それなら、私の理想も叶えてもらえるのだろうか。

[メイン3] 射命丸文 : 例えばこんな少し雰囲気の良い場所で取材がしたい、とかね。

[メイン3] ネバーランダー : コト。

[メイン3] 射命丸文 : 手帳から顔を上げて、対面の席に視線を移す。

[メイン3] ネバーランダー : マグカップが、小さな白い皿の上に置かれる音。

[メイン3] ネバーランダー : 文のその視線の先には、静かにくつろいでいるネバーランダーの姿があった。

[メイン3] ネバーランダー : そうして、文と目が合い、ニコリと笑い。
柔らかな雰囲気を醸し出しながら。

[メイン3] ネバーランダー : 「お悩みでしょうか?」

[メイン3] ネバーランダー : 悩みの種が、そう口を開く。

[メイン3] 射命丸文 : 「……おかげさまで」

[メイン3] ネバーランダー : フフフ。と静かに笑いながら。

[メイン3] ネバーランダー : 「……あなたは、"賢い"方であるとお見受けいたしました」

[メイン3] 射命丸文 : 椅子に体重を預けたかったけど、流石に仮にも敵の前。
寛ぐ気にはなれない。

[メイン3] ネバーランダー : 「要はこの場は─────私との取引を行いたいがために用意した場所
 そういうことですよね?」
ニコ、と微笑む。

[メイン3] ネバーランダー : 「商談でも、取材でも、なんなりと」

[メイン3] 射命丸文 : 「まあ、言ってしまえばそうですね」

[メイン3] ネバーランダー : そう言い、両肘をテーブルに置き。
手の甲へ、自身の顎を乗せる。
文の顔を、じっと見つめながら、リラックスした表情を見せる。

[メイン3] ネバーランダー : 敵意、悪意、殺意の無い、純然たる善意で。

[メイン3] 射命丸文 : この状況、絶対的に足りないものがあるとすれば手札だ。
それを広げている相手が目の前にいて……

[メイン3] 射命丸文 : 覗かせてもらわない手はない。
……鴉だけに。

[メイン3] 射命丸文 : 言い方は何でもいい。今は、打開策を探っていこう。

[メイン3] 射命丸文 : 「では」
手帳を手に強く握り。

[メイン3] 射命丸文 : 「……まずは、あなたの目的を聞かせていただきましょう。じっくりと」

[メイン3] ネバーランダー : 「……そうですねぇ、あなた方は耐性を持っておりますから
 当然、あなた方が既にある「日常」を手放すことに対する抵抗を行なうのは
 私も、予測はしておりましたので……」

[メイン3] ネバーランダー : 「─────"穏便"に事を運ぶためにも、私の全てを、明かしましょう」
ニコリと、笑い。

[メイン3] ネバーランダー : 「未知は怖いですからねぇ、これもまた、信頼を積むために……」

[メイン3] 射命丸文 : ここまで、彼女の目的は抽象的かつ表面的にしか明かされていない。
その真意を知る、この機会……逃す手はない!

[メイン3] ネバーランダー : 「─────結論から申し上げましょう
 私は………」

[メイン3] ネバーランダー : 「……オーヴァード、ジャームから、レネゲイドの脅威を取り除きたいのですよ
 ただそれだけのために、私はここに立って、そしてあなたとお話をしています」

[メイン3] ネバーランダー : 「報酬など一切要りません、必要なのは─────"笑顔"、ただそれだけ
 この世界中にいる全ての人間が、幸せに暮らせれば、それでいいんです
 そしてその中で、私も幸せに暮らすことができれば……」

[メイン3] 射命丸文 : 「事前の調査と相違ありませんね……”高校生の頃からジャーム化治療のための研究を続けてきたが、10年の月日を以ってしても成果は上げられていなかった。”とあります」
書き込んでいるのとは別の手帳を覗きながら、こくりと頷く。

[メイン3] ネバーランダー : 「……ふふ、洗い浚い調べ上げられてしまったのですね
 お恥ずかしい限りです」

[メイン3] ネバーランダー : そうしてネバーランダーは、手を。
自身の右目を覆い隠す髪の方へ移動させ。

[メイン3] ネバーランダー : オールバックにするように、捲り上げえる。

[メイン3] 射命丸文 : 「……!」

[メイン3] ネバーランダー : ─────そこには、"右目"は、無かった。
空洞だった。

[メイン3] ネバーランダー : そして、またニコリと微笑み
また"空洞"を隠すように、髪を元に戻し。

[メイン3] 射命丸文 : 「それ、は……」
思わず、目を大きく見開く。

[メイン3] ネバーランダー : 「これ、"母だったもの"に取られたんです」

[メイン3] ネバーランダー : 「母子家庭で生まれた私を、ずっと独り身で
 愛情を注いでくれた母が」

[メイン3] 射命丸文 : ……流石に、メモを取る手も止まる。

[メイン3] ネバーランダー : 「レネゲイドに感染し、そして覚醒………
 ……ふふ、ふふふ、よくあることです、まるで母の姿とは思えない
 異形の化物に取られちゃいました、殺されかけちゃいました」

[メイン3] ネバーランダー : まるで壊れているように、微笑む。

[メイン3] ネバーランダー : 「私は何とか、オーヴァードとして覚醒しましたが……
 ……ふふ、覚醒する前に取られたものは、戻ってこないんですね」

[メイン3] 射命丸文 : この界隈、決して珍しい話ではない。ありふれた悲劇だ。
部外者から見れば森の中の木の一本でしかない、が……その当事者にとっては決して色あせることの無い傷になる。

[メイン3] 射命丸文 : 「……それが、ジャームの治療法を探す理由でしたか」

[メイン3] ネバーランダー : 「ええ」
こくりと頷き。

[メイン3] ネバーランダー : 「─────ハッキリ言いましょう」

[メイン3] ネバーランダー : 「私は、レネゲイドを憎んでます」

[メイン3] ネバーランダー : 「この世から消し去ってしまえばいい、そう思ってます」

[メイン3] ネバーランダー : 「だからこそ、その穢れを全て私が受ければいい
 もう悲しい目に遭う人を増やしたくない、そして何より……
 もう一度、母と平和な世界で暮らしたい」

[メイン3] 射命丸文 : 「……それは、しかし……」
あまりに皮肉な話だ。
この世界からレネゲイドなど消えてしまえばいい、そう思っている張本人が──侵蝕率計測不能。

[メイン3] ネバーランダー : 「…………ふふ、ふふふ、ふふふふふ」

[メイン3] ネバーランダー : 壊れたラジオのように、笑う。

[メイン3] ネバーランダー : 彼女はもう─────"ジャーム"。

[メイン3] ネバーランダー : 解放の衝動に呑まれた存在。

[メイン3] ネバーランダー : 「……ええ、ええ、その通りです」

[メイン3] ネバーランダー : 「ああ、やはり憎い、ああ憎い憎い」

[メイン3] GM : とたとたとたとた。

[メイン3] ??? : ネバーランダーの膝へ、小さな少女が座る。

[メイン3] 射命丸文 : ちらり、少女の方に視線を移す。

[メイン3] ネバーランダー : レネゲイドに対する憎悪を口ずさみながら
膝に乗った少女の頭を、優しく撫でる。

[メイン3] 射命丸文 : 「……まさか、この子が?」

[メイン3] ??? : 文と目が合い、無邪気な笑顔で返す。

[メイン3] ネバーランダー : 「ええ」

[メイン3] ネバーランダー : 「─────母です」

[メイン3] 射命丸文 : 「…………」
手の中でペンを回す。

[メイン3] ネバーランダー : 「私の望みは全てお話しました」

[メイン3] ネバーランダー : 「いかがでしかた?取材の方は」

[メイン3] ネバーランダー : くすくすと笑う。壊れながら。

[メイン3] ネバーランダー : 「考え直していただけましたか?
 ─────この世界で、過ごしてくれますか?」

[メイン3] 射命丸文 : 一見穏やかな風景が、その背景を知るだけで──180度の逆転。
これが真実の重さ。たかが数gのペンが、あまりに重く感じる。

[メイン3] 射命丸文 : 「──一つ、よろしいですか?」

[メイン3] ネバーランダー : その問いに、ええどうぞ、と微笑む。

[メイン3] 射命丸文 : 「貴女のその目的と、貴女が多用する”笑顔”という言葉。この間の結びつきについて……です」

[メイン3] ネバーランダー : 「?」
不思議そうに首を傾げる。

[メイン3] ネバーランダー : そのまま、お話の続きをどうぞ、と催促するように
手のひらを向ける。

[メイン3] 射命丸文 : 「貴女にとって、どちらが重要なのか……です」

[メイン3] 射命丸文 : 「『レネゲイドへの憎しみ』か」

[メイン3] 射命丸文 : 「『人を幸せにすること』か」

[メイン3] ネバーランダー : 口角が、じんわりと上がる。
左しかない、朱色の瞳を宿す目もまた、見開き。

[メイン3] ネバーランダー : 瞳孔が─────完全に開き。

[メイン3] ネバーランダー : 外で聞こえる子ども達の喧騒の中……。

[メイン3] ネバーランダー : 「前者」

[メイン3] ネバーランダー : 壊れたように、"笑顔"を見せる。

[メイン3] 射命丸文 : ぴくりと肩が動く。

[メイン3] ネバーランダー : 「だからこそ─────皆さんを救いたいんですよ
 レネゲイド、要らないじゃないですか?ん?」

[メイン3] 射命丸文 : ……”救済”は他者に依存する概念だ。

[メイン3] 射命丸文 : だが、”憎悪”は違う。それは、個の中で完結するもの。
外から揺るがすことは、きわめて困難な感情。

[メイン3] 射命丸文 : 「なる、ほど…………」
手の中でペンが回る回る回る。

[メイン3] 射命丸文 : 「……?」

[メイン3] 射命丸文 : 「しかし、それだけなら……このような環境は必要ないのでは?」

[メイン3] 射命丸文 : ウィルスを抑え込むのに最も効率的にしたいなら、氷の牢獄でも作ればいい。
彼女の言う”衝動”を最も効率的に満たすなら、今の手段はあまりに迂遠に思える。

[メイン3] ネバーランダー : 「ええ、もちろん
 私の意に反対し、そうして襲撃してきた方々は、何人もいました
 ただ─────その人達もまた、レネゲイドによって運命の歯車を狂わされてしまった
 私の─────同朋ではありませんか」

[メイン3] ネバーランダー : 「もし、凍結処置してしまえばいいとおっしゃるのであれば……
 私は、拒絶します
 嫌いですから」

[メイン3] ネバーランダー : 母を10年も閉じ込めてきた存在だからこそ
坊主憎けりゃ袈裟まで憎し、という、ある種の"子ども"じみた考えだった。

[メイン3] ネバーランダー : 「─────お話は、それだけですか?記者さん?」
対面に座る少女の瞳を覗き込むように、そう問う。

[メイン3] 射命丸文 : 「……そうですね」

[メイン3] 射命丸文 : 「話を聞けて、よかった」

[メイン3] 射命丸文 : 「……貴女はまだ、芯から壊れたわけじゃないでしょうから」

[メイン3] 射命丸文 : 共感性。完全に破綻した人物に残るはずのないもの。
彼女の心にはまだ、”自分以外”が残っている。
欠片ほどかもしれなくても。

[メイン3] 射命丸文 : その、人間としての彼女を全て夢の中に葬っていれば……記者の名折れに違いない。

[メイン3] ネバーランダー : 「…………ふふ、ふふふ……壊れてない、そうですか……」

[メイン3] ネバーランダー : 「あなたには、そう見えるんですね
 ………そうですか、そうですか」

[メイン3] ネバーランダー : 「……それで?あなたは一体どうなされるつもりですか?
 私の"夢"に手を貸してくださるのか、それとも……」

[メイン3] ネバーランダー :
     わ た し
「─────"レネゲイド"、駆除しますか?」

[メイン3] 射命丸文 : 「私は──……」

[メイン3] 射命丸文 : 「貴女の夢に手を貸すことはできません」

[メイン3] 射命丸文 : 「貴女の発言は、私には否定できません」

[メイン3] 射命丸文 : 「……確かにこの世界では、笑顔は守られるのでしょう。誰もが笑って暮らせる、そうかもしれません」

[メイン3] ネバーランダー : 目を細め、その言葉一つ一つを噛み締める。

[メイン3] ネバーランダー : 「─────"何"が」

[メイン3] ネバーランダー : 「あなたを」

[メイン3] ネバーランダー : 「"現実"へ、結びつけるのですか?」

[メイン3] ネバーランダー : 文という記者の魂を、取材する。

[メイン3] ネバーランダー : だって、そうでしょ?
こっちは手札を見せた、それならあなたも見せるのが道理
違うかしら?

[メイン3] ネバーランダー : そう言いたげな表情で、不敵に微笑む。

[メイン3] 射命丸文 : 「……『貴女の論理』は私には否定できない。
 しかし、それと反する『私のアイデンティティ』があるのです」

[メイン3] 射命丸文 : 懐から取り出すのは──

[メイン3] 射命丸文 : もちろん、使い慣れたカメラ。

[メイン3] ネバーランダー : そのカメラを、一つしかない目で一瞥し。

[メイン3] ネバーランダー :
     ロイス
「─────"記録"ですか」

[メイン3] 射命丸文 : 「その通り」

[メイン3] 射命丸文 : カメラを操作すると、一枚、写真が吐き出される。

[メイン3] 射命丸文 : 「この写真は、今朝撮れたものです」

[メイン3] 射命丸文 : 映っているのは、応接間での一幕。

[メイン3] ネバーランダー : カフェ内の空気が、ピリピリと震え出す。

[メイン3] ネバーランダー : その写真を見つめながら、文の言葉を聞きながら。

[メイン3] 射命丸文 : ……京子が変顔をした、あの写真だった。

[メイン3] ネバーランダー : 「だからあなたは……"夢"は、不要」

[メイン3] ネバーランダー : 「そうですか、ふふ、そうですか……」

[メイン3] ネバーランダー : ネバーランダーを中心に、空間そのものが小さく震え出す。

[メイン3] ネバーランダー : 「─────尊重しましょう」

[メイン3] 射命丸文 : 「……この写真、撮り損ねたんですけどねー……横で、女の子が笑ってるはずなんです」

[メイン3] ネバーランダー : 「それがあなたの"想い"であれば、もはや言葉で分かり合うことはできません
 そしてあなたと同様─────私もまた、あなたを"否定"する権利は
 どうやら、無いようで」

[メイン3] ネバーランダー : 「ええ、とても─────いい笑顔です」

[メイン3] ネバーランダー : ネバーランダーの表情に、影が差し込む。

[メイン3] 射命丸文 : その笑顔。フィルムに焼き付いた思い出。
それと反する笑顔なら受け取れない。
それが、答えだった。

[メイン3] 射命丸文 : 「…………」

[メイン3] ネバーランダー : 「たった1人で」

[メイン3] ネバーランダー : 「私に喧嘩を売り」

[メイン3] ネバーランダー : 「そして、こうして生命を失いかねない脅威の中でもなお─────」

[メイン3] ネバーランダー : レネゲイドの奔流が渦巻き
ネバーランダーの体の周りの空間が、まるで陽炎のように揺れ。

[メイン3] ネバーランダー : 「"想い"をぶつけ、"私"を見据えるのならば
 ………ええ、尊重いたしましょう」

[メイン3] 射命丸文 : 「…………」
用の済んだカメラをしまい込む。
この風景は目だけに焼き付けよう。

[メイン3] ネバーランダー : そうしてネバーランダーの体は
背後に生まれた、禍々しい黒い渦の中に身を、ゆっくりと落とし。

[メイン3] ネバーランダー : 「─────広場にて会いましょう」

[メイン3] ネバーランダー : ここから先は

[メイン3] ネバーランダー : どちらの"想い"が上かの

[メイン3] ネバーランダー : ─────決闘だ。

[メイン3] 射命丸文 : ペンを手の中で回す。

[メイン3] 射命丸文 : 「──いいでしょう」

[メイン3] 射命丸文 : 真実は一つではない、と知っている。

[メイン3] 射命丸文 : 紛れもなく見えた、彼女の”真実”には。

[メイン3] 射命丸文 : やはり、相応の”真実”を提示することでしか覆せない。

[メイン3] 射命丸文 : もっとも、真実を作り上げるので──

[メイン3] 射命丸文 : ブン屋に勝てる相手はいない。
記者の誇りをお見せしましょう。

[メイン3] 射命丸文 :

[メイン3] 射命丸文 :